【社長のひとりごと】“負動産”に、蓄電池という出口ができた

先日、日経BPの記事を読んで、しばらく頭から離れませんでした。福島の会社が、全国に900万戸あるという空き家に、低圧の蓄電池を置いてネットワークにしていく——そんな取り組みでした。

土地を探すたびに、思うこと

私は日々、蓄電所の用地を探しています。地図を広げ、現地を歩き、登記を確認する。その繰り返しの中で、いつも感じることがあります。この国には、持て余された場所が驚くほど多い、と。

空き家、耕作放棄地、市街化調整区域の端に取り残された土地。売るに売れず、貸すにも借り手がつかず、固定資産税だけがかかり続ける。いわゆる「負動産」です。持ち主にとっては、重荷でしかない場所です。

荒れた土地に取り残された廃屋。使われなくなった負動産の情景

そこに、蓄電池という出口ができた

ところが、その持て余された場所に、蓄電池という新しい使い道が生まれました。広い平地でなくていい。駅前の一等地でなくていい。49.9kWの低圧なら、小さな土地でも、地域の電力を支える拠点になれます。

これまで「価値がない」と切り捨てられてきた場所の評価が、静かにひっくり返り始めています。負動産が、地域に電気を回すインフラに変わる。私はこの転換を、用地を探す立場から肌で感じています。

野に置かれた電力設備。使われていない土地が電力インフラの一部になる

次のインフラは、たぶん派手じゃない

巨大な発電所を一つ建てるより、使われていない場所に小さな設備を無数に置いていくほうが、災害にも制度変更にも強い。一か所が止まっても、全体は揺らがないからです。

次の時代のインフラは、きっと目立ちません。誰も見向きもしなかった土地に、静かに、分散して根を張っていく。その一枚一枚を積み上げる仕事に、私はいま、確かな手応えを感じています。

夕暮れ、山あいの街にともる無数の灯り。地域に分散していく電力拠点

持て余していた場所が、地域の役に立つ。そういう再エネの形が、私はいちばん好きなのかもしれません。

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