【5月20日のAI関連耳よりニュース】日本のAIインフラ電源は誰が握るか — SBG・関電・KDDIの三様回答

5/19の蓄電所オークション36%の話に続いて、今度はAI側から電源の話が押し寄せてきた感じがします。SBG・関電・KDDIが、同じ週にそれぞれ違うやり方で「AIの電力をどう確保するか」の答えを出してきました。これ、全部つなげると日本のAIインフラ電源地図が見えてきます。

【ニュース①】ソフトバンクG純利益5兆円、堺140MW DCと新中計「AI関連1兆円投資」

▶ ソフトバンクグループが2026年3月期の連結純利益5兆22億円(前期比4.3倍)を公表。日本企業として史上最高益。新中計「Activate AI for Society」でAI関連戦略投資1兆円を計上し、堺AIデータセンター(電力容量140MW・NVIDIA GPU約10万枚・110エクサフロップス、2027年度稼働)、苫小牧最終300MW超の整備を加速。OpenAIがSBG発電子会社に約790億円出資し、電源側にも資本連携が表面化。

引用元:日本経済新聞ITmedia AI+

💬 440の見解:堺140MW、苫小牧300MW…これ、もはや「事業者向け電源プロジェクト」の規模です。OpenAIが発電子会社に790億円突っ込んでくる時点で、AI企業は電源側まで取りに来ています。系統用蓄電所のオフテイカーは電力小売だけじゃないな、と素直に思います。

【ニュース②】関西電力グループ「DX・AI戦略」、原子力由来100%CO2フリーDCを福井美浜に

▶ 関電グループが2024年7月公表のDXロードマップを刷新。「AI前提の業務再構築」を掲げ、グループ初の生成AI向けコンテナ型DCを福井県美浜町に設置(2026年度内稼働、原子力由来100%CO2フリー電源)。大阪都市型DC「OC1」(26年1月開設)と合わせて、グループ内のオプテージと連携しワンストップ提供する戦略を打ち出した。

引用元:関西電力リリース

💬 440の見解:美浜は関電の原発立地です。原発をフル稼働できる電力会社にしか言えない「100%CO2フリー」だと思います。だけど東電・柏崎刈羽はまだ全機運転に届かず、東北電力・女川も2号機が動いた段階。印西・白井のDC集中エリアで同じスキームを組むのは難しい。再エネ+蓄電で24/7を作る側に、まだ余地があると思います。

【ニュース③】KDDI新中計「Power-to-Connect 2028」、AI計算資源基盤に3年で1.2兆円

▶ KDDIが新中期経営戦略を発表。陸(堺・宮崎・多摩・小山DCをオール光ネットワークで連結)、海(日米光海底ケーブル)、空(HAPS・衛星)の三層で全国低遅延網×AI計算資源基盤を構築。3年間で1.2兆円投資。連結営業利益CAGR5%、ビジネス/パーソナル両セグメントは2桁成長目標。5/15には楽天モバイルと省電力通信基盤の共同開発も発表し、2030年度までに通信網消費電力40%削減を打ち出した。

引用元:KDDIニュースルーム

💬 440の見解:KDDIは「陸・海・空」って言い切ってきました。堺・宮崎・多摩・小山の4極を光でつなぐということは、各拠点で需給調整リソースが必要になります。地方のDC近接型蓄電所、本気で提案価値が出てきます。

同じ週に3社、答え方が全部違う

SBGは自前のDC+発電資本連携、関電は原発由来100%CO2フリー、KDDIは分散DC×省電力ネットワーク。日本のDC電力は今1.7GW、全国の1.5%(IDCAデータセンターレポート2026)。だけどこの1.5%が、これから10年でどこまで膨らむかは誰も読めません。

私たちのような系統用蓄電所事業者にとって、AIは「お客様」になりつつあります。発電を持つ会社、ネットワークを持つ会社、自前で全部やる会社、それぞれに対して別の提案ができる時代に入ってきました。AIの電力をどこから取るか…この問いは、たぶん今後の数年で日本の電力産業の地図を書き換えていく気がします。

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