【8月27日の再エネ関連耳よりニュース】土地を持たない申込みは通らなくなる──低圧蓄電所、用地が参入資格になった週

こんにちは、合同会社440の山本です。

8月27日の再エネニュースを拾っていたら、たまたま3本とも用地の話でした。国が入口を締め、事業者は土地の出どころを工夫し、用地そのものが商品として流通し始めています。順に見ていきます。

順番待ちの列に並ぶ人々

【ニュース①】「低圧系統用蓄電池」の申込み急増に、経済産業省が対策へ

▶ 2026年3月時点で、系統連系まで到達したのは約84万kW。これに対し接続検討の受付案件は約1億9,100万kW、契約申込みの受付案件は約3,500万kWにのぼります。桁が二つ違います。経産省は接続検討の段階で土地情報書類の要件化、申込み上限の設定、工事費関連の運用改善を実施。契約申込みの段階では、土地使用権原の提出を要件化し、保証金を引き上げ、工事費分割払いの最低支払額を設けます。低圧は接続検討を経ずに直接契約申込みへ進めること、そして申込みを低圧規模に割る「低圧分割」が問題視されています。

💬 440の見解:先週取り上げた接続検討の持ち駒上限に続いて、今度は契約申込み側が締まります。要するに、土地の権原を持たない申込みは通らなくなるということです。用地を先に押さえてから動く会社が有利になる制度変更で、当社の進め方とは方向が一致しています。

荒れた空き家の室内

【ニュース②】エブリーラボ、空き家を使って低圧蓄電池の候補用地130件

▶ 福島県郡山市のエブリーラボが「系統用蓄電池×空き家」の事業モデルで、8月20日時点で候補用地130件を取得しました。うち25件が申請完了、55件が手続き中で合計80件が進行中。年内に100件の申請を目指します。対象は福島・宮城・山形が中心。1件あたり出力約49.5kW、容量200kWh、必要な土地面積は6〜7坪で、土地の買取価格は最大200万円とのことです。

💬 440の見解:6〜7坪という数字がこの事業の本質を表しています。売れずに残っていた空き家の敷地が、解体すればそのまま収益物件になる。用地不足とは土地がないことではなく、探し方が足りていないだけだと改めて感じます。数を取りにいく体制を先に作った会社が強い市場です。

紺色の背景に並ぶ紙製の家の模型

【ニュース③】権利付き用地の情報サイト「GRiD DATA」公開

▶ GiFT(東京都新宿区)が8月19日に公開しました。系統用蓄電池の権利付き用地を全国から集めて比較できるサイトで、掲載は現在約50件、今年度中に累計300件を目指します。掲載項目は所在地と電力エリア、開発進捗、連系出力、接続検討結果、工事費負担金、連系可能時期、土地の条件、ハザード情報、譲渡条件。料金は月内3案件までが月額5万円、案件数無制限が月額30万円(いずれも税別)です。

💬 440の見解:接続検討まで済ませた用地が、そのまま商品として売買される段階に入りました。掲載項目が、当社が用地台帳で管理している項目とほぼ同じなのが興味深いところです。買う側に回るにせよ売る側に回るにせよ、自前で用地を仕込める体制そのものが資産になります。

今週のまとめ

3本を並べると、低圧蓄電所が「申し込む競争」から「土地を持っている競争」へ変わったことがはっきりします。制度が土地の権原を求め、事業者が空き家に目を向け、権利付き用地に値段がつく。同じ週に3つとも起きたのは偶然ではないはずです。

当社が用地の探し方と押さえ方に時間をかけてきたのは、この順番が来ると考えていたからでした。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です