【8月4日の再エネ関連耳よりニュース】ガス会社が“蓄電所の運用権”を買い集める──東京ガス・静岡ガスの動きとトーリング契約

こんにちは、合同会社440の山本です。8月に入って、ガス会社が系統用蓄電所に相次いで動きました。しかも自分で建てるだけでなく、他社が建てた蓄電所の“運用権”を長期で買う形が目立ちます。系統用蓄電所の用地開発をしている立場から見ると、「誰が建て、誰が動かし、誰が稼ぐのか」がはっきり分かれてきた一週間でした。キーワードは「トーリング契約(オフテイク契約)」です。

【ニュース①】ヘキサ×東京ガス、福島の49.7MW/202.1MWhで20年オフテイク契約

契約書の上で握手する二人。開発と運用の分業を象徴するイメージ

▶ ヘキサ・エネルギーサービスは8月、福島県で開発する系統用蓄電所(出力49.7MW/容量202.1MWh)について、東京ガスと20年間の長期オフテイク契約を締結したと発表。ヘキサが開発・保有・維持管理を担い、東京ガスが20年にわたり運用権を取得して電力市場に応じて運用します。商業運転は2029年度の予定です。

💬 440の見解:建てる会社と動かす会社がきれいに分かれた形です。開発側は20年の長期契約で収益を固定でき、資金調達もしやすくなる。用地を仕込む私たちには、出口=売り先の選択肢が一つ増える動きとして注目しています。

【ニュース②】静岡ガス&パワー、浜松市に高圧系統用蓄電池を開発

青空の下に伸びる黄色い都市ガス配管とバルブ

▶ 静岡ガス&パワーが浜松市で高圧の系統用蓄電池を開発すると報じられました。電力小売事業で使う調整力を自社で持つことが狙いとされます。①の東京ガスが“他社の運用権を買う”のに対し、静岡ガスは“自ら蓄電池を保有する”形で、参入の仕方が対照的です。

💬 440の見解:調整力を市場から買うのではなく、自前で持つ判断です。地場のエネルギー会社が自社保有に動けば、その分だけ蓄電所用地の引き合いも増える。地域に根ざした事業者の参入は、用地側にも追い風です。

【ニュース③】ガス会社はなぜ群がるのか──「トーリング契約」で読む蓄電所の収益

多数のモニターが並ぶ管制室。市場を見て蓄電池を運用するイメージ

▶ ①②に共通する仕組みが「トーリング契約」です。蓄電所を“建てて持つ人”と“市場で動かす人”を分け、運用側が容量を長期で借り上げて対価を払います。東京ガスは系統用蓄電池を積み増しており、2030年度までに運用容量800MWを目指すとしています。

💬 440の見解:トーリングは開発事業者の市場変動リスクを下げ、参入の裾野を広げます。裏を返せば、用地・系統の空き容量・EPCを押さえた開発側が主役になれる。土地から入る私たちの領域が、ますます価値を持つ流れです。

おわりに

制度頼みで動く時代から、収益をどう設計するかの時代へ。ガス会社の動きは、その象徴だと感じます。用地を持つ側の視点で、次の一手を追いかけます。合同会社440・山本でした。

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